傾聴とは?
傾聴とは否定も肯定もせず、きちんと向き合って話を聞くことです。
「うん、うん」と相槌を打って、話の途中で遮らずに話を聞きます。
傾聴は、人間関係を築くために大切と言われます。
傾聴は大事なこと、と言われますが不登校気味の子にどうして傾聴が大切なのでしょうか。
臨床心理士の先生から教えてもらった、傾聴のステップ4つも紹介します。
不登校気味の子に傾聴が必要な理由
不登校気味もしくは不登校になって通信制高校に転校してくる子たちは、色々なことで疲れています。
- 高校生活に息苦しさを感じていた
- 学校の先生からの圧が苦しかった
- 学校の友達から批判されていた
- 周りの目を気にして肩身が狭かった
中学、高校で様々な傷つきを体験して、人とコミュニケーションを取ることが怖くなるようです。
コミュニケーションを取るのが怖い、というのは1つの感じ方で、人とコミュニケーションを取りたいと思わないという無関心の状態も、元を辿れば同じです。
コミュニケーションを取ることに拒否反応を示し、人間関係がうまくいかなくなるようです。
生きていく上で、人間関係はずっと続きます。
周りの人が変わっても、また新しい人と人間関係を築いていかなければいけません。
人間関係をまた築けるように、心の土台を作ることが必要です。
心の土台に必要な「受容される体験」
臨床心理士の先生から学んだのですが、再び人間関係を築けるようになるには心の土台が必要です。
その土台を作るのが、「受容される体験」です。
あるがままの状態で受容される体験を重ねていくと、コミュニケーションを取る安心感が生まれます。
コミュニケーションを取ることに安心感を覚えれば、信頼関係の構築がスタートできます。
「受容される体験」が、傾聴です。
傾聴4つのステップ
臨床心理士の先生から学んだ、傾聴の方法を紹介します。
- 否定しない
- 肯定しない
- 話を遮らない
- ちゃんと聞いていることを伝え返す
否定しないというのは、傾聴の基本ですが、肯定もしません。
思ってもないことで肯定してしまうと、それは相手に伝わってしまいます。
信頼関係を築く基礎となる傾聴。
思ってもないことを言ってしまうのは傾聴としてはNGです。
また、子どもが話している途中で何か言いたくなるかもしれませんが、傾聴するのであれば話を遮ってはいけません。
話終わるまで、待ちます。
そして、ちゃんと聞いていることを伝え返すのも傾聴です。
ちゃんと聞いていることを伝え返すのは、子どもが話してくれたことをまとめて伝えるなどです。
その時は、事柄でなく、子どもの感情に注目するのがポイントです。
事柄に注目すると「なんでそんなんなるん?」など、否定してしまいがちだからです。
中高生は、まだ、思いの全てを言葉にすることはできません。
言葉にならない、心の中身を聞こうとしてあげてください。
傾聴の締めくくりは、伝え返すこと
傾聴の一環として「〜〜なんだね」と話を要約して伝え返します。
やってみる前は、要約を伝え返すことを少し疑っていました^^;
でも実際に自分が傾聴してもらって、話終わった後に要約を伝え返してもらうと、なんとなく嬉しい気分になったのです。
ちゃんと話を聞いてもらえたという安心感につながります。
普段から傾聴してあげたい
私は生徒のためになりたいと傾聴のことを学びましたが、傾聴するにはこちらの心の余裕が必要です。
話を遮らずに最後まで聞くなど、こちらに我慢が必要です。
そう。
傾聴は単なるおしゃべりとは違います。
友達とのおしゃべりだったら、言いたい時に言いたいことを言えるし、友達が喋っている時に自分の意見を言ってもOKです。
でも傾聴は、「コミュニケーションを取るのは怖くないよ」と伝えるための技法です。
保護者の方が、いつもいつも子供の話を傾聴するのは大変なことだと思います。
保護者の方にもお仕事があるでしょうし、家事や、他の兄弟がいればその子たちのケアも必要です。
心に余裕があるときには傾聴してあげてください。
私たち通信制高校の職員も、傾聴できるよう心がけて生徒たちとコミュニケーションをとっています。
多くの生徒が、気軽に登校してくれるようになったと感じています。
傾聴はすぐに効果が現れるものでもないのですが、少しずつ、良い関係を作っていきたいです。